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【2021年全日本大学選手権・特集】同期の世界王者奪取に刺激を受け、学生2大会を制覇…70kg級・大野恵太郎(日体大)

JWF)


「素直にうれしいいです。実は、自分はチームで3番目の選手なんです」。2021年全日本大学選手権の70kg級で優勝し、10月の全日本学生選手権とともに学生二冠王に輝いた大野恵太郎(日体大)は、自身をそう表現し、「そんな中から代表に選んでいただいて優勝することができ、恩返しができました」と続けた。



 上2人とは? 一人は世界選手権同級代表の基山仁太郎(今回は負傷欠場)。もう一人は昨年大会代表で全日本選手権では4位入賞を果たしている1年後輩の高田煕。それ以外にも、練習では65kg級の山口海輝や61kg級の小川航大にもかなわず、「成績と本当の実力が比例していないです」と謙虚に話した。


 しかし、2回戦で対戦した全日本学生選手権決勝の相手の永松麗(徳山大)と、決勝の坂野秀尭(日大)戦で見せた粘りの逆転勝利は、その言葉が謙そん以外、何ものでもないことを示している。永松には得意のがぶり返しを連発して逆転。坂野には、逆にがぶられた体勢からうまい身のこなしで4点タックルにつなげ、ラスト1分頃にスコアをひっくり返した。

 

 

強い先輩・同期・後輩の中でもまれて実力アップ



 「がぶり返しは得意技です。(決勝の4点の)がぶられてからのカウンターも得意なんです」と、両試合とも“得意”という技を出しての勝利。試合で決められる技を持っていて、勝負どころで決められるのは、実力があるからこそ。実力が伸びたことで、成績も伸びたのは間違いない。



父親が熊本・タイガーキッズのコーチだったことから、物心がついた頃からレスリングのレールの上を走っていた。ずば抜けた成績ではなかったが、「負けたときはすごく悔しい一方、勝ったときに感じる『頑張ったんだ! やったんだ!』という爽快感や、周囲から注目される喜び」が、レスリングを続ける要因だったと言う。


 中学時代に1度、熊本・玉名工高時代にグレコローマンで1度、全国王者があるが、日体大に進んでからの2年間は、新人戦で3位が続き、優勝には縁がなかった。原因は「弱かったからです」と即答。3年目にして学生二冠王に飛躍できたのは、「強い先輩、同期、後輩の中でもまれたからでしょう」と振り返った。


 闘ってきたライバルの一人が、今年の世界選手権74kg級代表の佐藤匡記(山梨学院大)。勝ったこともあるが、負けたことも多い。「うらやましいと思いました」と、佐藤の活躍が遠からず刺激になったことを口にする。


レスリングをやっている限り、世界一が夢


 さらに、現在は同期のチームメートで、世界王者に輝いた松井謙とも、中学時代に闘ったことがある。同期の快挙を称える一方、「彼は、陰の努力家なんです。陰で必死に努力する人間が、大きな舞台で勝てることを教えてくれました」と、学ぶことが多かった。



2015年全国中学選抜選手権53kg級表彰式。左から佐藤匡記、大野恵太郎、松井謙



 「松井に続く?」との問いには、「今の自分の実力では…(そう言えない)」と前置きしたあと、「目指したいです。まだ目標とまでは言い切れませんが、レスリングをやっている限り、夢ですよね」と続けた。


 まずは、学生二冠王の実力を12月の全日本選手権で試したいところ。高校時代にグレコローマン全国王者の実績で出場したことはあるが、フリースタイルでは初出場。「雲の上の人たちと闘うことになります。まあ、楽しめればいいかな、と思っています」。控えめな言葉を口にしながら、日本の頂点を目指す!



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